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『#2019アドビ令和の変』 を推察する

#2019アドビ令和の変



ということで、5月9日(USでは5月8日らしいのでそっちが実際の日付っぽいけど)から始まった、Creative Cloudの問題の件について、皆様ご機嫌いかがでしょうか。
……うぉ、石投げないでください、いしー。


ともあれ、あんまりにも具体的な公式発表がないのでいろんな推測しか飛んでないんですが、自分なりにもちと考察しておきます。

まず、この件について、一部ネット系ニュースサイトでは(事後だけど)取り上げられている。


訴訟もある? Adobe CC「今後は最新2バージョンしかサポートしません」でユーザー大混乱【Internet Watch/やじうまWatch】
AdobeがCreative Cloud内のPhotoshop・Premiere等の一部旧バージョンを認定除外、「第三者からの権利侵害を主張される可能性」 【GIGAZINE】
アドビCC、最新2バージョン以外「非認定」に 「権利侵害の指摘を受けるおそれ」のため 【ITmedia/ねとらぼ】

ここで厄介なのは「実は2つの事象について、いっしょくたに記載されている」という問題があったりする。
もっとも、それが同時にやってきたので、当然いっしょくたに扱うのはやむを得ないのだけれども。


ここで公式の文書。

(グループ版ユーザーにメールされたリンク)
非認定バージョンの削除
Changes to Creative Cloud Download Availability

現状で直接的にAdobeから連絡(メールとそのリンク先)を受けているのは、グループ版のユーザーのみ。グループ版なので企業向けユーザー。
ただしエンタープライズ向けの文書としても公開自体はほぼ同時に行われているっぽいので、一般ユーザーも内容だけは知ることができるのが実際。
あわせて、USだけれど、Adobe Blogにも、それらと一緒ではないけど、ほぼ同時タイミングで関連投稿が記載はされている。
(ちなみにAdobe Blogの投稿は通常の辿り方で文書にたどり着くことはできないのでリンク知ってないと実質見ることは不可能)



そのうえで、実は今回の変わった件は「異なるふたつのこと」だったりするわけで。
それぞれ書いてしまうと下記の感じ。

  • 今回、Adobeが係争等による影響として「非認定」というバージョン区別をする必要が出てきた
  • デスクトップアプリケーションでは最新+ひとつ前のバージョンのみインストールするようにした


これらが(よりによって)同時にやってきたうえで、デスクトップアプリケーションの表示がAdobe Blogの記載と同じでないうえで従来とも異なるので整合性がなくなってるうえで、その他諸々とかみ合わないところがあるので、さらに混乱を招いている、という……ああ書いててわけわかんなくなりそうである。


まず、いろんな文書で「使い続けると『第三者に権利侵害を主張される可能性』があるので使うのやめろよ」とある。
これが裁判中なのか、裁判終了の結果かわからないけれど(といっても「可能性」といってるので裁判中という可能性が高い気がする)、何かしらの係争であることはどう考えてもガチ。
ただし……どのあたりの外部系ライブラリが引っかかってるのかがさっぱり推測できないというのがあるんですが。
新しめのニュースなどでは「Dolbyとの係争では」との報もあるけれど、少なくとも5月15日の時点でいえば、本当にそれかの断言はおそらくは不可能だと思ってるし、どのニュースもそのあたりは断定調にはしてないから、単なる推測でしかないと考えるしかない。
(もしかしたら今後出てくるかもしれないけど、ここに追記するつもりは書いてる現状ではないです)


突然のAdobe CCの過去バージョン提供中止はDolbyとの訴訟が原因か【スラド】
Adobe CC、旧バージョンのダウンロード提供を突如終了。ユーザーには旧バージョン削除促すメール送信【endgadget日本語版】

これは外部からどうこう推測はできるけど、本当に適切な状態で情報が出てこない限りは何も断言できない。

もっとも、通常はどんな係争でも、当事者同士はそのことについては口外することは絶対にないので(これはUSだけでなく、日本の裁判沙汰でも基本は一緒)、ありうるとしたら「裁判所などで公開され、その内容が報道に乗」らない限りは真実は誰にもわからない、はず。
たぶんこれはいろんな意味で、フタしかされないはずなので……どうもならない。

あとこの件、どこが係争先かはおそらくAdobeの正社員でもごく一部しか知らないはずなので、その辺の人に問いただしてもどこかは絶対に出てこないであろう、というのも考えにはあるので、下手に騒いでも無意味ってこともあわせて付け加え。
たぶんそれこそ、本体トップと法務系の、しかもそれでもそこに携わる全員が把握してはいない可能性もありえるので。


もひとつ。永続ライセンスは今回の件に全く影響がないことも、一応書いときます。



そのうえで、デスクトップアプリケーションでインストールバージョンの縛りを今更設けてきたという意味不明な状態が同時に降りかかってきた。
これはもちろん係争問題は関わっている可能性はあるけれど、おそらくは「もともとこれ、あらかじめ予定していたもので、実行するタイミングだけ見計らってたんじゃないの」って思えるフシがなんとなくある。


理由はいくつかある。

まずひとつ、インストーラーを用意しておくだけでも負荷自体がバカにならない、ということ。
AdobeはAWS使ってるので、サーバレンタルや通信としてのコスト軽減は絶対に行いたいはずだし、今のサブスクリプション契約もある程度一巡してこれ以上爆発的に拡大するかは微妙なので、内部コストを圧縮して利益確保に走るのは当たり前と思うため。 株価と株主のために営業利益を更新するなら、外部から入るカネが減るなら経費圧縮して捻出しか方法はないので。

ふたつめ、サポートのコスト削減。
古いバージョンでも今までは「CC提供だから」としてきたのでやってきたフシはあるけれど、それを行うということは、レガシー環境を残し続けなければならない。しかしそのメンテナンスの手間も正直バカにならない。特にMacは新しいハード買っても古いOS入らないから壊れたらおしまい。そうなると、そんなものをさっさと切りたいと思うのはある意味自然な道理。これも利益確保の一環。

みっつめ、動作環境が絞られてきて提供の意味が失われつつある点。
macOSは10.7以降が例のごとくでずっと変わらないし、これからも変わる気配がない。

そして対するWindowsは、7のサポートがもう1年切ってるわけで、それの対応バージョンをぶった切れば、ある意味負担は激減するだろう、と。その前にWindows 8はCC 2019で切ったことっていう布石もあったわけだから、一定以下のバージョンをぶった切るにはそろそろ頃合いである、というのもまた正しい現実ともいえるわけで。どのみちCC 2019のビデオ系はハード的な問題も含めてWindows 10だけにしてしまったわけだし。



そしてある意味本題。


現状、実はデスクトップアプリケーション以外にも、旧バージョンの入手手段は一応はある。
あるったらある。

公式なのは、Creative Cloud Packagerを使う方法。

Creative Cloud Packager について
パッケージの作成
パッケージのユーザーガイド

ただしこれ、企業向けライセンス(グループ版・VIP・ETLAなど)に限るので、あくまでもその所属の管理者が作成するに限られる。
ついでにいえば、そういうことを認識していてCC Packagerを利用することを面倒くさいと思わない人に限られるというか……。
ちなみに認定バージョン自体はこれで実際に落ちてきたのを確認済み。

190516_CCPackager


もうひとつあるのは、ProDesignToolsに用意されているリンクをがりがり踏んでいくこと。

非認定バージョンのリンクはがっつり切られてるんですが、認定バージョンのリンクは残っているので、個人ライセンスでもそこから入手はできる。
大半はMUIになってるので、Englishとなってても実際には日本語対応になるものが多い点を踏まえておけばいい。

ただしProDesignToolsのページよりダウンロードする場合は「アドブロック系のツールは外す」「事前にAdobeのサイトでダイレクトに何かのダウンロードをキックしておく(アクセス許可を得ておく)」をしないと、ダウンロードできないので注意は必要。


その時使えるのが、公式の「CC最新版用ページ」と「レガシー版用のページ」だったりする。
そこを押さえておいて、必要なバージョンは今のうちに確保しておけば、後でどうなっても一応の復帰はできるだろう、というのもあるわけで。

Creative Cloud アプリケーション | 直接のダウンロード
Creative Cloud アプリケーションのレガシー版のダウンロード


ともあれ、まともな公式発表がないので、もやもやするうえでムカつくだろうなのはみんな一緒。
だけれどもそこでどうこう言ってもある意味始まらないので、別の模索は考えなきゃいけないかもだけど、今できることを並行でやっていくことも必要なわけで。
立場とか状況とかでも現状を是にできる人もいれば、非でしかない人もいるのだけれど。


ちなみに日本でAdobeに対して集団訴訟して、果たして勝てるかっていうと……勝てるかもしれないし、勝てないかもしれない。
いきなり突然、あらゆるものが利用不可能かつ提供終了した場合は多分勝てるけど、そうではないため。
従来から終了を予告したものはずっと前から予告されているし、今回切られたものでも「少なくとも最新版は必ずある」ので、それ使えば結果はともかく開いて処理はできるうえで、もともとバージョン間の動作担保はしていないなどの証拠があるため。
こればっかりは実際に裁判してみなければわからないけど、相手は相手できっちり法務持ってるプロなので、当然ながらその辺クリアしてやってるだろうと思うので。
気分的に釈然とするかしないかは別として、だけれど。

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