アプリタイプの電子書籍はデータタイプよりも寿命が短い説

「単体アプリ型としてリリースされた電子書籍は、リーダーとデータが個別になっているそれよりも寿命が短くなるおそれがある」説を出してみる。

ちなみに過去実績と現在の実績と、両方の観点から考察した個人的な見解。

まず現在の実績より。プラットフォームは国内で比較的流通割合が高そうなiOS(旧iPhone OS)を基準とします。

iOS(旧iPhone OS)は、とってもAppleらしいむちゃくちゃマイナスな一面がある。それは「後方互換性があまり高くない模様」。
以前より持っている人なら結構実感した人も少なくないであろう状況。iPhone OS~iOSがアップデートされるたび、アプリについてもその都度アップデートしなければならないケースが実は少なくない。それが新機能に対応するためならいいんですが、「OSの互換性が低くそのままでは動作しない場合がある」という理由もあるようで。

となったとき、一度アプリとして配信したとしても、長期に亘って販売を続けるためにはメンテナンスを怠ることができない。その都度動作確認を行い、そして動作に支障があればアップデート処理をし、そして再審査に入ることに。

そしてそこでもさらなる壁が。App Storeの場合、一度審査に通ったからといっても、アップデートのときにも審査があり、そしてその審査に通過できるかどうかはまた別、という点。審査に通らなかったアプリもけして少なくないという問題がある。

それらの問題を考えると、「App Storeが続く限り恒久的にアップしつづけられるか」という、確固たる保証自体が難しい。しかもAppleはiOSのSDKライセンスをいつ自分勝手な都合の良い内容に変更するかわからず、内容が一切変わってなくても審査に通らなくなるおそれがあるというえらい問題を抱えていると大きな爆弾も……。瞬間的なものはさておきとして、メンテナンスをするだけの手間暇を考えると、結局はほっとかれる可能性も少なくないなあ、というのが現在見えている問題。これは送り手側がいつまで・どこまで負担するか、というのが先まで考えた時に見える問題。



そして過去事例。
1995年頃(Windows 95発売前後あたり)から2002年前後あたりにかけて、CD-ROMに収録したコミックや書籍がそれなりにリリースされた記憶があります。具体的なタイトルはともかくとして、記憶に残るくらいなので、そういう意味ではけして少なくない気がする。

そしてそれらが今読めるか、というと、読めない可能性がある。もちろんゼロではないかもしれないものの、可能性はというと低くなる可能性がある。Win 3.1用とかMac OS 9以下用とか特に。読めるプラットフォームを残しておけばいいものの、いろんな意味で至難の業。ハードごと残しておける環境ならまだしも、なかなかそういうケースは多くないはず。

よってこちらは、個人におけるプラットフォームやデータの維持方法というお話。場所を取りにくい汎用媒体ならデータは維持しやすい可能性はあるけれども、プラットフォームの維持は個人ではなかなか難しい。ハードオタクが自分でメンテできることを前提に残すっていう例を、普通の人にやれ、っていうのは無理な相談だし。



それら事例を考えると、「まだビューワ(どちらかというと専用機がベター)+汎用データ形式にしておいたほうがまだなんぼか将来性があるかなあ」と考えなくもない。特にデータが汎用的なもの(例として、プレーンテキスト類やJPEGなど)であればモアベター。広く世に流通したデータであればあるほど、長期に亘って何かしら読む手段が残される可能性が高くなるので。もっとも汎用データの場合はDRMの問題が出てくるうえ、そこは権利者が譲らないように思うため、あくまでも可能性のうちとして考えるだけに過ぎないけれども。

たぶんいちばんいいのは、専用ビューワ+カートリッジ式で差し替えしてとっかえひっかえ可能な専用データが全体的なバランスが取れているんじゃなかろうか、と思ったんですが、「それなんてゲーム機+ゲームソフト?」というオチになりそうな気がします。手間暇を比較的かけず、場所もあまり取らずに四半世紀くらいなんとなく維持できる、過去実績のある形式と考えると、ある意味妥当かなと思ったりしなくもないです。

そういう意味では、Amazon Kindleが比較的その形式に近いかなあと、思わなくもないです。データをカートリッジ式で供給すれば、完璧かなあと。まあ、Amazonがなくならずにいてくれて、データも20年くらい読み出せるようにしてくれればたぶんあまり不満は出ないような気はします(作者サイドからすると版型・装丁等変えての再販売できないからビジネスチャンスはむしろ減ると思うけど。国内はそれがあるから資産として追利益を生み出せる背景があるんだけど、そのあたりって送り手全体は考えてるのかな)。



#ということで、元々はもっと長ったらしい考察の文章を書いてたんですが、あらゆる方面に話が流れていきそうなので手を止めて再構成。せっかく書いたのに捨てるなんてもったいない。といってもなんだかまとまりがないなあと思いつつ、面倒なのでとりあえず出してしまう。

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