で、そのむずがゆい理由はというと「本文ベタ組原理主義者にはとても耐えられないんじゃないかという内容である」、ということ。
なので「一部の人には」ということで。



この本自体、記載されているように「プロの仕事に学ぶ版面設計技術」というもので、実際の雑誌誌面のレイアウトや作成ソフトにおける文字組み設定の情報が記載されてます。しかし、ベタ組みがきちんとできている本はあまりないように見える。
あまつさえ、冒頭部で説明されている「アキとツメ」にはこんな記載が。

本文やキャプション、リードなど文章量の多い個所は調整詰めか均等詰めを行います。調整詰めは、文字の1字1字の形に沿って詰めていくので自然な詰めになります。均等詰めは文字の形に関わらず均等に詰め、一定のアキを設ける際も用います。

……自然になるか? 同じ単語でも、行頭行末均等(最終行のみ行頭)揃えである限り、ツメの量は前後の文字群の状態や禁則などの影響を受けて一律のツメを保つことができないことのほうが多いのに、自然になるというのか? さらには必ず詰めを行うこと前提になっているってどうなのさ?



てことで、中身をあまり見ずに本屋で見かけてタイトル買い&資料になるだろう的に買ったものなので、手元にあるのは構わないものではあるんですが、まさか冒頭部分からアレな気分にさせられるとは思わなかった次第です。てことでバッドサンプル扱いにしてしまおう。

なお、字面ツメや一律詰めなどの組み処理を100%否定しているわけではありません。その利用する和文書体の基本構造や書体ごとの特性、欧文組版とは異なる和文組版ルール等々を考慮していない組み方は正直気持ち悪い、といわざるを得ないだけです。
この作例にも多かったんですが、本文一律詰め(上記でいう「均等詰め」)もたくさん出てくるんですが、リュウミンで1歯詰するとかありえんですよ。思いっきり漢字くっついているのにそれに気づいていないのか、はたまたそれが美しいと思っているのか、非常に疑問です。



参考:
和文書体はまだまだ仮想ボディ+ベタが基準(過去エントリ)
インデザインCS3のカーニングについて(InD-Board)



他にもこの本、Illustrator 8.0+OCFとかQuark3.3+OCFという例がやったら出てきて、それだけでツッコミせざるを得ない状態だったりするわけで。本自体が2007年刊行なので、作例が2005-2006年くらいの内容を元にしているとしても、それって正直どうなのよ、と。もっとも、InDesign+OpenTypeを利用しているものも少なくはないです。

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