CMapの違い資料は複数ある

NAOIさんのところで触れられている以下の件。



モリサワStd・Pro・Pr5・Pr6の違いMac OS Xの文字コード問題に関するメモ



最後に提示されている資料ですが、Adobeからも同様の資料は提示されてますね。

ということで、文字コードだけではなく、全体的な検知から以下NAOIさんのところの話題からはどんどん内容がずれる話を長ったらしくしますので、混乱しないでください。されそうですが。

とりあえず、両者の直リンクと元ページを示しておきます。それぞれの前者はPDFなので注意。



■モリサワ
 Adobe-Japan1-4(Pro)から Adobe-Japan1-5(Pr5)への変更に伴う字形相違の資料
 (OpenTypeフォント関連資料

■Adobe
 小塚明朝・小塚ゴシックにUniJIS-UTF CMapへの変更とそれに伴う字形の変更及び削除
 (小塚フォントのアップデートにおけるデータ受け渡しの注意点/TechNote:224301



資料のわかりやすさ・読みやすさ・付加情報等は別にしても、出している内容自体は同一だったりします。

で、小塚(Adobe)のほうが作成日としてはかなり早い(モリサワ:2006.01.12、小塚:2003.12.04)ことと、モリサワのはAdobe提示の資料なり情報ありきで作られているんじゃないか(というかCMapの元定義や更新・改変処理を握ってるのはAdobeだろう)という気がします。たぶんですが。

もうひとつ。これら資料はフォント置き換えでの影響を提示しているということが読めます。
「モリサワ資料では“Std/Pro”と“Pr5/Pr6”のフォントを相互に変更した場合の、共通するAdobe-Japan 1-4領域の結果影響」「Adobe小塚資料では小塚のバージョン違いで開いたときの結果影響」(※)を出しているものであり、それ以上でもそれ以下でもないと考えます。
また、それ以外のAdobe-Japan 1-4領域における、Unicodeが追加付与された字形については、CMapの異なる書体に置換しても影響がない部分のようです。サンプル数は少ないですが、実際に変更されているはずの丸数字の一部をInDesign CS(1)を使い、フォントを相互に置き換えて確認したところ、表示等に影響は出ませんでした。よってNAOIさんが作成された、CMapにおける厳密な相違という点は触れていない理由はそこにある(それに触れてしまうといたずらに混乱させるだけになりかねない点も含む)ものと考えます。



いずれにしても、「最初に統一した環境や種類で作っておいたうえで、後では置き換えたりするのは絶対しないのがベターである」、ということだけは確実に言えるところです。言うまでもなさそうですが。もし行うとしたらCMapが同一の書体間に限る、と。
同一のAdobe-Japan 1-xを採用していてもベンダーやリリース時期で違うので、できればAdobe-Japan 1-xの各バージョンで採用CMapバージョンを固定してくれたほうがありがたかったです。現状ばらばらでホント洒落にならんので。



ところで、この件で未だに納得していないことがひとつ。それはシングル・ダブルクォーテーションのCMap仕様変更について。
あれのせいで普通の小説レベルの文章ものですら処理や結果の統一が煩雑・難解になる場合もある、と言えなくもないためです。縦組みにしたときのダブルミニュート/ノノカギ自動置換も含めて、です。メーカーポリシーおよびフォントのリリース時期等によっても採用するCMapは異なる結果として、頻繁に利用するコード内に2種類の字形が存在する状態であるため、ますます面倒な話です。

これについては、たとえばフォントワークスや大日本スクリーンのFAQ等でも掲示されていたりします。記載の方法や内容はともかく、結局はモリサワ・Adobeが出している資料の一部だけを出しているような状態。



FONTWORKS | サポート | FAQ | FAQ詳細:

No.140 Adobe InDesign CSで縦書きのダブルクオーテーション「“ „」を入力していますが、字形が違います。

一部ユニコードの変更があり、その影響でフォント開発時期によって異なる字形が表示されます。変換によって適切な字形が入力されない場合は、InDesignの字形パレットから希望する字形を入力してください。



千都フォント|サポート|InDesign 2.0:
千都フォント|サポート|InDesign CS:



これも、今回全般のネタとしては同一のことを指しているようなものでもありますが、「何をどこまで考え、そして求めるか」、という話でもあるので、「大半のユーザーに必要な情報がどの程度あればいいのか」、というところなどが、本件におけるそれぞれでの情報の出し方や考え方等の違いかなと思いました。一般の利用者のほとんどがCMapの中身やバージョンまで見ることはまずないと思いますし。

ただ、全てのAdobe-Japan規格準拠のフォントのひとつひとつが、どのバージョンのCMapを採用しているかが公式の情報としてわかるようになっているとそれなりにありがたいとは思うんですけれどもね。一般的にどう活用するべきなのかが難しいところですが。



関連1:モリサワにてOTF Pro→Pr5字形相違表が公開(M.C.P.C./2006.02.02)
関連2:複数タイプのCMap/GSUBの絡むややこしい話
関連3:和文用規格とは思えん



(※)ちなみに置換されてものすごくややこしいのは小塚のほうです。PostScriptフォント名自体は変わってないので、開く環境によって気づいたら勝手に置換されてしまったまま出力して問題が生じてしまう可能性があったりします。当時一部で騒がれた記憶が。

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コメント

どうも。Adobeの資料のほうは論理的ですね。
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CMapの差異の例

InDesignの勉強部屋さんの掲示板での話題を検証していて、CMapバージョンの違いの好例が出てきたので……。 あちらの話題は小塚明朝Pro Rにおいて、文字パレットから入力したCID8443「山立可」がCID17009「石立可」に化けるというものだったが、私の環境では発生しない。 文

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