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巻き込まれて消えゆかんとするもの

どのカテゴリにしようか悩んだけれども、暫定的にこれに。



先日起こしたエントリに対して、CLさんから頂いたコメントに返事しようと思ったんですが、考えるといろいろと出てきたので、返答の代わりとして新たにエントリ起こします。

改めて、「フォントワークス社のフロッピーディスク版CIDフォント製品販売終了」について書くことになりますが、終了する理由について具体的に推察すると、以下のものが挙げられます。
(先日のエントリに書いたことも一部含まれていたり、挙げた項目の中でも理由が一部重複するものがありますが、それは前提とします)



■1. インストール対応OS搭載PC(Mac)が新規販売されなくなった
■2. 対応メディアを標準で読み込めるPCはそれ以前に終了してしまっている

これは単純です。
1.は「MDD 2003」(2003年6月発売)が最終機種で、それから5年以上経過したので新規入手は二度とできません。ClassicすらもPPC+Leopard環境から落ちてしまったので、OS9が公式復活することは、当たり前ですが、二度と復活することはないでしょう。2.も、「Power Macintosh G3 (Blue & White)」(1999年1月発売)より約10年になるため、外付けはともかくとして、本体への標準搭載はまさに一昔前になくなっているわけです。



■3. CIDフォント自体の需要が減少してきた
■4. CIDフォントの「パッケージとしての需要」も減少してきた

こちらは先日書いた通り、「業界全体としてはOpenTypeに移行が進んでいる」という点も絡んでいます。4.については「LETS」があり、LETS自体が年々拡充されていることを考慮すると、事実上、パッケージ自体の販売量は終息を考慮検討できるだけの状況になっている可能性がかなり高いです。



■5. スクリーンフォントは同等以上の代替パッケージがよりリーズナブルに存在する
■6. プリンタフォントについても代替手段で提供を継続している

これらは、厳密には4.と同じです。5.についてはさらに「LETS エントリーパック CID ATM専用版」があり、FDD版の数本分がこれ一本に凝縮されているので、これが出た時点でFDD製品の寿命は終わったも同然だった、ともいえます。6.は4.とまったく同じで、LETSで継続提供されている点です。もっとも、プリンタフォント自体が現行環境でまず必要になることがないことや、プリンタフォントという概念自体が将来的にはなくなる(APPEなど)という点が一番重要でもあります。



■7. 流通させるコストが販売によって吸収できない

こちらはCLさんとは異なる観点での、コストなどに関わる部分です。ぶっちゃけ、売れないんだからサポート以前に「儲からない」だろうと。ボランティアをやっているわけじゃないはずなので、売れないソフトをいつまでも販売する義務はないわけです(というかボランティアそのものも本来は義務じゃないですが)。挙げたとおり代替手段もあるわけだし。ついでに、管理する製品点数が減るだけでもコストは減らせます。しかもLETSメディアが増える一方システムなので、そういう意味では場所を取る無駄なパッケージを置いておくコストについても、できれば減らしたいところでしょう。これはメーカーだけではなく、小売店の店頭在庫への考慮、という点においても言えることです。



■8. サポート自体が物理的に行えない

これは1.2.に関わります。ハードメーカーが出荷していないハードを、買う側(ソフトメーカーもハードを買うときは所詮「いちユーザー」です)が無制限に入手できるわけがありません。フォントベンダーが特定メーカー依存ハードを勝手に作るわけにはいかないし、できるわけもありません。できるならどこかがすでにやってそうだ。また、定期的にハードウェアをメンテナンスしていても、どうしても寿命があるわけで、余裕を持って「動いているうちに」どこかで打ち切らざるを得ません。これは世界中のソフトウェアベンダー絡みの話になりますが、OS9以下のOSへの対応自体、近い将来表立たずとも事実上行われなくなったり打ち切られる可能性は非常に高いです。



■9. メディアの入手自体が困難になる

これが最後。実は、少し前にこんなニュースリリースが流れました。

3.5型FD(フロッピーディスク)販売終了のお知らせ(三菱化学メディア)

内容を見ればわかりますが、販売終了日が実は同じ2009年3月末だったりします。
実は、直接の理由がこれの可能性もないとは言い切れないのかもしれません。



1.2.8.9.については、ソフトメーカー側がどうこうできるものではありません(厳密には3.もどうこうできませんが)。あくまでも周囲の状況変化による結果でしかない。
こればかりは何をやろうにしても行えるものでもないですし、材料などは事前にストックしておくにしても、限度と製品品質という点で保証の限りではなくなってきます。
発展するものがある代わりに、消えるものもある。趣味ならなんとでもなるかもしれませんが、そうではないので仕方ないところではないかと思います。



もちろん、その他の理由があるかもしれません。いずれにしても総合的な判断として、今回のアナウンスに繋がったものになるのだろうと思われますが、終了するにしても猶予期間を置いたうえできちんとアナウンスしているだけに、それなりにスマートで理想的な状況での販売終了なのではないかと個人的には考えたりします。普通はずばっとなくなることが多いし。

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