デジタルデータをアナログ風に面付けすることの意味

「InD-Board」での話題でふと気になったことが。

スレッドの話題自体は本人納得の上で完結していることでもあるので、私的な見解はチラシの裏的に自分のところに書いておきます。

もともとはこちらのスレッドです。

単ページのPDF書き出しについて

1ページ1ファイルのPDFを希望される印刷会社の気持ちはわかります。
面付けが楽なんですよね。赤字が入っても該当ファイルだけ差し替えれば事故防止にもなりますし。

デジタルデータ、というか、ページデータとしては「それちょっと危険なのでは」という考えも実は出てきます。
掲示板での「K子」さんや「(-_-メ)」さんの意見と基本的には同様のものなので、それを理解されていれば以下を読む必要はないかもしれません。






アナログ、とりわけ写植(印画紙)+台紙切り貼りのころであれば、ページごとのほうが確実で間違いはありませんでした。
作業も台紙(単ページないし見開き)で必ず完結していたので、他のページに影響が出ることはなかったり、また影響の出る場合でも「確実に人の目でチェックされる」状態だったからです。
もし、ミスがあるとすれば「写植の貼り忘れ」などの、作業し忘れというものが大半でしょう。

ところが、デジタルデータは違います。
100ページ続けての文章ものの場合などは、途中1行増減があれば、大抵の場合はそこから後のページはすべて影響を受けてしまいます。
しかも、それが意図されたものかどうかは別です。
以降のページが以前とまったく同じかどうかは、結局はすべてのページを目視しないといけないことになりますが、デジタルデータで果たしてそのようなことをやってらっしゃるところは、果たしてどの程度あるんでしょうか。

で、増減が全体に及んでいるにも関わらず、「修正があったと『思い込んでいる』」ページだけ差し替えた場合、既にそのページ、もしくは以降のページで情報不足またはダブリが発生し、おかしな結果になる可能性があるので、そういう意味では全てのページを差し替え(つまりは全ページ面付けしなおし)したほうが遥かに安全、という可能性もあるわけです。



ちなみにもうひとつ考えもあります。
中堅・大手印刷会社などの規模に限られてしまう可能性もありますが、全ページに対して「デジタル検版ソフト」でチェックを行うこと。
PDFになっているのであれば、Acrobatの「比較」機能でも良いでしょう。信頼性は落ちますが、これなら小規模運用でも導入は簡単です。
それらで事前処理を行えば、目視チェックなどの作業は基本的には最小限で済みます。もっとも、正誤の判断は人が行うしかないので、あくまでも「全ページをやらなくてもいい可能性としての『最小限』」ですが。



ただ、それでも最後に残る「面付けし忘れ」があります。
同一ファイル名で更新をかければ済む、という場合もありますが、そのファイル自体を更新し忘れるという可能性もあるので、そうすれば何もかも水の泡です。
であれば、修正後の全頁に対して面付けソフトで同一の処理(元と同じ設定で面付け)をしたほうがまだ確実、ということになってしまう場合もあるわけです。



まあ、「面付けソフトを使わずにすべてIllustrator/InDesign/Quark上で手作業で面付けしてるから」というところもあるかもしれないので、そうなると単ページ書き出ししたうえじゃないとできないとは思いますが、頁物のデータなら、それって明らかに非効率だと思うんですけどね。
面付けソフトも安いのがありますし、通常の頁立てであればRIP側でも標準で面付け処理ができる場合もあるので、「実は超アナログチックに面付けしてる」なんてのも少ないとは思うんですが、ないとも言い切れないのがこの業界だしなあ、ううむ。

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コメント

んー。私の理解がズレているのでしょうか?
久々だしボケてるかな(^^;)
単ページ差し替えが楽で、しかもそれを世代ごとにきちんと管理までできる面付けソフトが圧倒的に普及していれば、そもそも問題にならない話だと思うのですが、制作側には印刷側の事情を実感しにくいから食い違いが出たのかな、と。

制作側にしてみれば印刷側は技術の変化になかなかついてこないなー、と言う感じでしょう。
でも印刷側の設備は2年とか4年とかで気軽にアップグレードできる金額ではないし、機械にはアップグレード・パスでの割引もないから大変。

>>m_ogawaさん
仰るとおり、「ケースバイケース」なのは事実です。
今回は「100ページ続けての文章もの」という書き方をしていますが、世の中の頁物が必ずしもそうでないこともわかってますし、それらのデータが1ファイルでない場合もありますし。
なのでTBされている笹川さんやCLさんの仰る場合のケースも理解はしています。

ただ、データ形式・内容等によってどのようなデータ状態にするのかなどのリスク分散や、データ受け渡し時の連絡状態など、さまざまな要素も含めた場合のトータルで考えるべき問題である、というのがもっとも大きな本質だとも考えますので、それらがクリアされているのであればなんでもいい、というのが答えだとも思います。
今回の「InD-Board」の件だと、それらはクリアされていないことも含めて納得されていない、というのが本質でしょう。

ひさびさに

ミスというやつは予想の超えたところで起こるから、どちらの方式を採用しても事故防止という観点からは決定打に欠ける、ということは結局はケースバイケースという煮え切らない結論になるような。

でも自然な仕事の流れ、という観点から考えて、1ページ1ファイルにこだわるのって少し古いような気がします。
データはEPSからPDFに移行してきてるし、RIP側にも面付け機能はつくようになったし。
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